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フィリピンでバスケットボールがベッティングの入口となる理由

Jenny Ortiz-Bolivar
翻訳者 Hanako Takagi

スポーツブックの成長において、バスケットボールは今後もフィリピンで主要な入口であり続けると見込まれている。これは、同競技が文化的に強い存在感を持ち、NBAがフィリピンのファンの間で深く根付いた人気を誇っているためである。

SiGMAニュースの独占取材に応じたデジプラス・インタラクティブのアリーナプラス責任者、エリック・スーは、現在フィリピンでスポーツベッティングに参加しているのは成人人口の約10パーセントにすぎず、そのうちかなりの割合が過去1年以内に市場へ参入した利用者だと説明した。これは、この分野が依然として初期段階にある一方で、認知度、利用しやすさ、商品内容の改善に伴って急速な拡大が見込まれることを示している。

バスケットボールとNBA提携

アリーナプラス責任者のエリック・スー(右から4人目)は、元NBA選手でアリーナプラスのブランドアンバサダーであるデリック・ローズ(右から5人目)、ABレジャー・エクスポネントおよびトータル・ゲームゾーン・エクストリーム代表のジャスパー・ビセンシオ(右から6人目)、そして他のブランドアンバサダーらとともに写っている。(出典:アリーナプラス)

最近、アリーナプラスは、フィリピンでNBA初の公式ベッティングパートナーとなることで、急速に変化する同国のスポーツベッティング市場における足場をさらに強めた。これは、フィリピン国内におけるバスケットボールの圧倒的な存在感と、東南アジアでスポーツブック事業者の商業的重要性が高まっていることの双方を示している。複数年契約となるこの協業により、アリーナプラスは自社プラットフォーム全体にNBAのブランドを組み込み、世界で最も注目されるスポーツリーグの一つと連動した地域向け施策やファン参加企画を展開する。

この提携は、フィリピンが強いスポーツ文化を持ちながらも、スポーツブック市場はなお比較的浸透していない時期に実現した。今回のSiGMAニュースのインタビューで、スーは市場の現状、NBAとの提携理由、そして今後の最大の機会と課題について語っている。

SiGMAニュース:フィリピンのスポーツブック市場の現状をどのように見ていますか。

デジプラス・インタラクティブのアリーナプラス責任者、エリック・スー:フィリピンのスポーツブック市場は、まだかなり新しい段階にあると考えています。私たちが見ているところでは、プレーヤーの約60パーセントは過去12か月以内に初めてスポーツベッティングに関わり始めました。同時に、現在スポーツベッティングに参加しているのは、21歳以上の成人人口のうち約10パーセントにとどまっています。

つまり、フィリピンは非常にスポーツ好きな国で、人々はスポーツを観戦し、実際に参加することも好みますが、まだ誰もがベッティングに関わっているわけではありません。より成熟した市場と比べると、明らかな隔たりがあります。それでも、提供内容の改善と関与の深まりによって、今後数年間で大きな成長の可能性があると見ています。時間がたつにつれ、スポーツベッティングはファンが試合に関わる自然な延長線上の存在になり得ます。

SiGMAニュース:フィリピンではスポーツの人気が非常に高く、ファンの熱意も強いです。スポーツブックはこの市場にどう入り込めるでしょうか。

スー:スポーツブックは、従来のメディアやソーシャルメディアにはないレベルの関与を提供できます。メディアでは試合を見たり話題にしたりできますが、スポーツブックではファンが能動的に参加できます。

たとえばアリーナプラスでは、単にスポーツブックを作っているのではなく、ファンが意見を交わし、チームを応援し、より深く関われる場を築いています。私たちはマイクロベッティングのような機能を提供しており、利用者は一定得点への到達、クオーターごとの結果、個々の選手の成績など、試合中の特定の場面に賭けることができます。

これにより、試合の間じゅう複数の接点が生まれ、ファンは新たな形で試合を楽しみ、関わることができます。従来の観戦よりも、より没入感のある体験になります。

新興スポーツの可能性

SiGMAニュース:世界的には、米国や英国のような市場はすでに成熟しています。フィリピンの潜在力を踏まえると、バスケットボールに注力しているのはそのためでしょうか。また、ほかに注目しているスポーツはありますか。

スー:はい、その通りです。スポーツベッティングはファンの競技愛の延長線上にあり、フィリピンで最も人気のあるスポーツはバスケットボールです。とりわけNBAには非常に大きな支持があるので、私たちはそこを提携相手に選びました。関与の面でも自然な組み合わせです。

フィリピンのパサイ市、モール・オブ・アジアで開かれたアリーナプラスのイベントに登場したデリック・ローズ。(出典:アリーナプラス)

今後を見据えると、バレーボールも非常に有望で、特にプレミア・バレーボール・リーグの人気が追い風になっています。強い関心が見られます。ボクシングや総合格闘技のような格闘技も非常に人気があります。

テニスにも可能性があります。特にアレックス・イーラのような選手が出場するときには、ファンは熱心に応援します。サッカーは国内ではまだ発展途上ですが、世界的には最大のベッティング市場であり、フィリピンでもソーシャルメディア上でサッカー関連コンテンツの消費が増えています。

eスポーツもまた大きな機会です。需要は非常に大きいです。私たちの調査では、利用者の約70パーセントがバスケットボールへのベッティングに関心を示している一方で、約40パーセントがeスポーツにも関心を示しています。ただし、フィリピンではeスポーツベッティングがまだ規制上の正式な区分として認められておらず、現時点で提供できる内容には制限があります。今後変わっていくことを期待しています。

予測市場と世界的な潮流

SiGMAニュース:世界的に議論が続いている予測市場について、どのように考えていますか。

スー:予測市場はまったく新しいものではありません。この概念自体は20年以上前から存在しており、ベットフェアのようなベッティング取引所もその一例です。今異なるのは、技術、データ利用のしやすさ、そして変化しつつある規制枠組みです。

国ごとに対応は異なります。たとえば英国では予測市場は賭博規制の下で扱われますが、米国では異なる分類がなされることが多いです。

フィリピンのような発展途上の市場にとっては、どのような予測市場であっても適切に規制されることが重要だと思います。そうすることで、一貫性、プレーヤー保護、業界の安定性が確保されます。

結局のところ、それがスポーツブックであれ予測市場であれ、重視すべきなのはプレーヤーに応えることです。良い商品を提供しつつ、責任あるギャンブルと適切な保護措置を確保することが必要です。

事業戦略と見通し

SiGMAニュース:規制という点で、今後フィリピンの規制当局に何を期待していますか。特にスポーツブックについてお願いします。

スー:規制当局は慎重でありながらも柔軟に対応していると思います。これはまだ発展途上の市場なので、状況は急速に変化しています。プレーヤーの行動は変わり、新たな潮流も生まれています。

規制を形作るうえでは、先入観にとらわれず、データに基づいて考えることが重要です。私たちは規制当局と緊密に連携しており、知見や情報を共有することで支援したいと考えています。

私たちの目標は一致しています。すなわち、プレーヤーと事業者の双方にとって最善となる、持続可能な業界を築くことです。

SiGMAニュース:最後に、今年のアリーナプラスの目標を教えてください。

スー:財務目標や利用者数の拡大だけに焦点を当てるのではなく、私たちの優先事項はローカライズです。つまり、フィリピンのプレーヤーが理解し、楽しめる商品を提供することです。

私たちは、地域の嗜好に合った高品質なサービスを届けたいと考えています。適切な基盤とインフラを築くことができれば、成長は自然についてくると確信しています。

実際、フィリピンのスポーツベッティング市場は今後5年間、年率20パーセントから30パーセントで成長する可能性があると私たちは見ています。

マニラが呼んでいる。そして、その声は決して小さくない。2026年6月1日から3日まで、SiGMA アジアが、この地域で揺るぎない中心地に再び戻ってくる。1万6000人の参加者、3040社の事業者、250人超の登壇者が一堂に会する。これは単なる展示会ではない。まさに始動の場だ。

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