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米国(アメリカ合衆国)ではスポーツベッティングの合法化に伴い信用問題が増加:報告書

Neha Soni
執筆者 Neha Soni
翻訳者 Hanako Takagi

米国(アメリカ合衆国)でスポーツベッティングを合法化した州では、消費者債務の増加、信用スコアの低下、家計の悪化など、信用面での問題が拡大していることが、ニューヨーク連邦準備銀行の新たな報告書で明らかになった。

同報告書によると、合法化されたスポーツベッティングは延滞率を約0.3パーセントポイント押し上げ、信用スコアの低下を招いており、アクティブなベッターにおける債務問題は最大で10パーセントポイントも増加している。

合法化後に進むベッティングの急増

スポーツベッティングの合法化を州に認めた画期的判決「マーフィー対NCAA(全米大学体育協会)」以降、38州がモバイル賭博を導入した。研究者らは、この拡大がベッティング活動の劇的な増加を引き起こしたと指摘している。平均支出は大幅に増加し、スポーツブックの取引総額は約10倍に拡大、参加率も3.1パーセントポイント上昇した。一方で家計状況は悪化し、中央値の信用スコアは約1ポイント低下、全体の延滞率は10.7%から上昇した。

特に若年層への影響が大きい。40歳未満では自動車ローンの支払い遅延が0.5パーセントポイント強増加(5.6%増に相当)し、クレジットカードの延滞は1パーセントポイント強増加(約8%増)した。また、この年齢層の自動車ローン延滞率だけでも5.6%増加したことが指摘されている。

スピルオーバー効果が政策上のジレンマを生む

研究では、いわゆる「スピルオーバー効果」も強調されており、非合法州の住民が隣接する合法州へ移動して賭けを行っている実態が明らかになっている。財務的困窮の増加と並行して、合法市場に近い郡では、完全に合法化された州の約14%に相当するベッティング活動が観測された。研究者は、これが政策上の不均衡を生み、非合法州が税収を得られないまま社会的・経済的コストの一部を負担していると指摘している。

本研究の重要な知見の一つは、地理的スピルオーバーの役割である。合法化されていない州の消費者も越境によって金融的な悪影響を受ける一方で、それらの州は関連する税収の恩恵を受けていない。

(出典:ニューヨーク連邦準備銀行)

この状況は研究者が「財政的非対称性」と呼ぶもので、非合法州が経済的利益を得られないままコストを負担する構造を生み出している。合法市場に近い州や州境付近に人口が集中している州ほど、失われた税収を回収するために合法化へ踏み切る誘因が強まる。

支出は急増しているものの、参加率自体は依然として比較的低く、合法化後にスポーツベッティングに関与している個人は約3%にとどまる。しかし、この層への財務的影響は大きい。参加率で調整すると、アクティブなベッターの延滞率は最大で10パーセントポイント増加したと推計されている。

拡大する産業と強まる監視

米国(アメリカ合衆国)のスポーツベッティング市場は急速に拡大しており、2018年から2025年半ばまでに約5,200億ドルの賭けが行われた。2025年の商業スポーツベッティング収益は過去最高の169億ドル超に達し、前年から22.8%増加した。最新データでは、2025年7月から10月の間に米国のスポーツベッティングへの関心が25%以上上昇している。この急増は、国内外のスポーツイベントが重なったことによって促進された。

合法化は多額の税収と経済活動をもたらした一方で、本研究は金融的困窮や債務負担の増加といった潜在的な負の側面に関する証拠をさらに補強するものとなっている。研究者は、特にモバイルベッティングの拡大を検討する地域が増える中で、政策担当者はこれらのトレードオフを慎重に評価する必要があると結論付けている。

この研究は、合法化が大きな税収と経済効果を生んできた一方で、債務増加や経済的困窮といった負の影響を伴う可能性があるという証拠が蓄積していることを示している。研究者は、特にさらなる地域でモバイルベッティングの導入が検討される中、政府はこれらの利点と不利益を慎重に比較検討する必要があると結論づけている。

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