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米国の部族ゲーミング総収益、2025会計年度に過去最高の462億ドルを記録

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

米国インディアンゲーミング委員会(NIGC)は、2025会計年度の部族ゲーミングにおける総ゲーミング収益(GGR)が過去最高の462億ドルに達し、2024会計年度から23億ドル(5.3%)増加したと発表しました。

このデータは、29州において連邦政府から公認を受けた246の部族が運営する545のゲーミング施設の独立監査済み財務諸表に基づいており、クラスIIおよびクラスIIIのゲーミング事業の双方が含まれています。

NIGCによると、部族カジノが生み出した収益は、医療、教育、住宅、インフラ、緊急サービス、経済開発などの部族政府の各種プログラムに活用されています。当局は、この結果が米国の部族ゲーミング業界の継続的な成長と経済的貢献を示していると述べています。

2024会計年度との比較による収益の伸び

2024会計年度の総ゲーミング収益は439億ドルでしたが、2025会計年度には5.3%増加し、462億ドルとなりました。この2年間の変化には複数の要因があります。

物価上昇によるインフレの影響がある一方で、来場者数、カジノ利用、顧客参加はいずれも実質的に増加しました。また、新たなエンターテインメントの導入、ホスピタリティサービスの向上、観光地に位置するカジノの存在も重要な要因となっています。

NIGCのシャロン・エイブリー副委員長は、2025会計年度の実績について、「部族規制当局と事業者が、成長を責任ある形で維持し、地域社会への利益につなげるために継続して取り組んできた成果を反映している」と評価しました。

部族ゲーミングの役割

部族ゲーミングが地域社会にもたらす影響は、カジノ事業にとどまりません。部族が得た収益は、医療、教育、住宅、公共インフラ、治安、水資源管理、インターネット・ブロードバンド整備、文化保護など、幅広い公共サービスやプログラムの財源となっています。これらの取り組みは地域経済全体の発展にも寄与しています。

また、部族によるゲーミング事業は雇用創出という重要な成果も生み出しています。その経済効果は、サプライヤーや請負業者、輸送事業者、さらには観光業にも波及しています。

2025会計年度NIGCレポートによると、部族はゲーミング以外にも再生可能エネルギー、不動産、製造業、農業、テクノロジー分野へ事業を拡大しており、ゲーミング収益への依存度を低減することを目指しています。

地域社会に不可欠なサービスへの資金提供

過去最高となる462億ドルの部族ゲーミング収益は、さまざまな地域密着型サービスを支える財源となっています。医療分野では、病院の改修や新たな診療所の建設、メンタルヘルスプログラムの充実、予防医療へのアクセス拡大などが進められています。

教育分野でも大きな成果が見られます。奨学金制度、学校建設、教員採用、言語保護、職業訓練、高等教育支援などに資金が充てられ、若い部族員に新たな機会を提供するとともに、文化の継承にもつながっています。

さらに、ゲーミング収益を活用したインフラ整備では、道路、水道、ブロードバンド、住宅、公共設備、公共交通などへの投資が進められ、生活環境の改善と地域社会の持続的な発展を後押ししています。

地域別の収益実績

NIGCは部族ゲーミング市場を8つの地域に分類し、それぞれの実績を公表しています。2025会計年度には、8地域のうち7地域で収益が増加し、特定市場だけではなく幅広い地域で成長が見られました。収益額ではサクラメント地域が首位となり、ワシントンD.C.地域は最も高い増加率を記録しました。一方、セントポール地域は安定した成長を示したものの、ラピッドシティ地域ではわずかな減収となりました。

サクラメント地域では、88カ所のカジノから約126億ドルの総ゲーミング収益が計上されました。これはカリフォルニア州の人口規模の大きさと部族カジノの集積が背景にあります。

ワシントンD.C.地域の2025会計年度の総ゲーミング収益は約112億ドルとなり、2024年度比で9.8%増加しました。同地域にはフロリダ州、ニューヨーク州、ノースカロライナ州、ルイジアナ州が含まれ、46の部族カジノが営業しています。

セントポール地域では約53億ドルを計上し、2024会計年度から1億4,800万ドル増加しました。同地域にはミネソタ州、ミシガン州、ウィスコンシン州、アイオワ州、インディアナ州、ネブラスカ州に101の部族ゲーミング施設があり、全地域で最も多くの施設数を誇ります。

一方、ラピッドシティ地域は2025会計年度に唯一減収となった地域です。総ゲーミング収益は約4億3,970万ドルで、2024会計年度の4億4,380万ドルから1%未満の減少となりました。同地域にはモンタナ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワイオミング州に44の部族ゲーミング施設があります。

NIGCの新たな指導体制

今回の2025会計年度収益レポートは、NIGCの指導体制が移行する時期に作成されました。この期間の大きな出来事として、6月にビリー・カークランド氏が副委員長へ就任しました。ナバホ・ネイション出身のカークランド氏は、これまで部族社会と連邦政府の双方で豊富な経験を積んできました。

部族ゲーミング市場は、高い需要、継続的な開発、新技術の導入を背景に、今後も成長が続くと見込まれています。運営面では統合型リゾートのコンセプトを取り入れるほか、デジタルマーケティングやサイバーセキュリティの強化を進めるとともに、ホテルや会議施設の建設に向けたインフラ投資も継続される予定です。

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