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インドのベッティング需要、2026年はIPL依存から変化:レポート

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

インドのiGaming業界は2026年に大きな変化を経験した。iGaming業界向けリアルタイム分析プラットフォームBlaskの独占統計によると、ICC男子T20ワールドカップ2026では、この10年でわずか2回目となる、インディアン・プレミアリーグ(IPL)2026を上回るベッティング需要が発生した。

2026年2月から3月に開催されたこの国際大会は、同年のインド国内におけるクリケットベッティング需要として過去最高水準を記録し、通常はIPL関連のベッティング量が最も多くなる2026年4月を上回った。この変化は、インドのクリケットベッティング行動に新たな傾向が生まれていることを示している。

Blaskのデータによると、IPLは2026年3月28日の開幕時に過去10年間で最高レベルのベッティング量を記録したが、その後大会期間中を通じて着実に減少し、2026年5月31日の決勝時点では開幕日の40%未満にまで落ち込んだ。IPLへのベッティングが大会開始から終了まで一貫して減少したのは史上初である。

10年間の支配

IPLは約10年間にわたり、インドのiGaming市場を支配してきた。Blaskによる2016年から2025年の分析では、10年間のうち8年間でIPL開催月が需要の首位を占めた。プレイヤーを引き寄せるIPLの圧倒的な影響力に匹敵するものは存在しなかった。この傾向には一貫性があり、通常はリーグ開幕後にベッティング需要が徐々に高まり、大会終盤でピークを迎えていた。

この流れが初めて崩れたのは2019年12月で、その年のIPLシーズン中を上回るベッティング需要が記録された。この急増は、インド対西インド諸島のホームシリーズとIPLオークションの時期と一致していた。しかし、アナリストたちはさらに深い変化を発見した。2020年1月から2月にかけて継続した、インド市場全体におけるiGaming活動水準の底上げである。

3年後の2022年には、さらに明確な前例が生まれた。オーストラリアで開催され、インドが優勝候補として参加した男子T20ワールドカップでは、直前のIPLシーズンを上回る需要ピークが発生した。インドのクリケットファンにとって、国内リーグよりも世界大会の方が魅力的だったことを示している。ただし、IPLは2023年、2024年、2025年には再び主導権を取り戻した。

インドのiGaming需要ピーク月
(出典:Blask)

世界大会のクリケットが国内舞台を上回る

T20ワールドカップは2026年2月7日から3月8日まで開催され、インドが共催国を務めた。2月は年間で最も強いiGaming需要を記録し、通常ならIPLのベッティング活動が活発化する4月を上回った。

クリケットファンは、T20ワールドカップ終了後すぐに次の試合を求めていた。しかし、約3週間の空白期間があり、興味を維持する大会も存在しなかったため、ベッターたちはその熱量を2026年3月28日のIPL開幕戦に集中させ、新記録を打ち立てた。ワールドカップ後に高まっていた期待感と、その間に他のクリケットイベントがなかったことにより、ベッティング需要が開幕戦に一気に流れ込んだ。

イベントの日程順も、ベッティング動向に大きな影響を与えた。2025年は2026年とは全く異なる状況だった。IPL開幕時点では、チャンピオンズトロフィーと女子プレミアリーグが約6週間続いており、期待感は徐々に高まっていた。ファンとベッターは期間中を通して関心を維持し、市場は順調に拡大し、熱量も衰えなかった。勢いは4月を通じて着実に高まり、最終的にピークへ到達した。

しかし2026年は異なる展開となった。T20ワールドカップは3月8日に終了し、IPL開始まで約3週間の空白が生まれた。その間、関心を維持できる大型大会が存在せず、ベッティング活動は低下した。IPLが始まる頃にはファンの熱意は薄れていた。5月31日の決勝時点では、ベッティング需要は開幕日のピークから40%未満まで低下した。業界がこれまで経験したことのない大会期間中の落ち込みだった。

インドの日次Blask指数
(出典:Blask)

規制がベッティング市場を再形成

2026年のベッティング需要形成には大会日程が大きく影響した一方で、規制変更も市場環境に変化をもたらした。2025年8月に成立したオンラインゲーム推進・規制法(PROGA)は、インドのオンラインゲーム市場を再編し、事業者による消費者との接点や商品訴求方法を変化させた。

インドにおけるオンラインギャンブル規制は厳格である。ポーカー、ラミー、その他のファンタジースポーツは法律で直接禁止される一方、eスポーツやソーシャルゲームは合法化された。当局の役割は、事業者の規制遵守監視、プレイヤー苦情対応、必要時の制裁実施である。

しかし、こうした規制にもかかわらず、海外ベッティングサイトはインド市場を簡単には手放さなかった。インド広告基準評議会のデータによると、広告違反の72%超が海外事業者によるものだった。新規制導入後には状況はさらに悪化し、月間違反件数は増加した。違反の多くはオンライン上、とくにインフルエンサーによる宣伝活動を通じて発生していた。

海外広告の増加は偶然ではなかった。特にT20ワールドカップやIPL序盤といった大型クリケットイベントと一致していた。これらの大会によってベッター需要が高まり、海外事業者はその需要を積極的に取り込んだ。政府の規制強化にもかかわらず、海外ベッティング企業がインド市場に留まり続けようとする姿勢が示された。

変化する市場構造

インドのオンラインゲーム市場は、依然としてIPLへの依存度が高いものの成長を続けている。一方で、IPLへのベッティング人気は依然として極めて高いものの、国際クリケット大会、とくに2026年のICC男子T20ワールドカップへの関心も高まっている。

Blaskの分析によれば、IPLベッティング需要が冷え込んだ背景の一つは、ワールドカップ終了からIPL開幕までの約3週間の空白期間だった。その間、関心を維持できる大型大会が存在せず、人々の熱量は失われた。IPLが始まる頃には初期の勢いはすでに弱まり、その後の大会期間を通して回復しなかった。

この変化は、業界運営側にとって課題となる可能性がある。ゲーム事業者、放送事業者、大会主催者は長年、IPLによる高いエンゲージメントと継続的な参加に依存してきた。長年にわたりIPLはインドのベッティング市場を牽引してきたが、2026年の動向は状況の変化を示している。需要が一つの大会に集中する時代から、年間を通じて国内外の複数クリケット大会へ分散する構造へ移行しつつある。

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