MGMリゾーツ・インターナショナル(MGM Resorts International)は、バリー・ディラー(Barry Diller)が保有するIAC(IAC)の株式に関する議決権の上限を設定した。
MGM Resorts Internationalは、IAC Inc.および同社会長のバリー・ディラーとの間でガバナンス契約を正式に締結し、IACの実質的な議決権行使を全株主議決権の25.73%に制限する一方で、同社に取締役会の2議席を保証した。
この条件は、MGMがフォーム8-Kの提出を通じて開示した議決権契約(Voting Agreement)に記載されている。契約のもとで、IAC、ディラーおよび関連主体はこの上限まで自由に議決権を行使できるが、それを超える保有株については他の株主の投票割合に応じて行使しなければならず、争点のある決議において超過分の影響力は実質的に中和される。
ディラーはすでに本契約に基づく指名取締役と認定されている。さらにMGMは、IACが指名する2人目の取締役を推薦する義務を負うが、いずれの任命も米国のライセンス制カジノ運営企業における標準的条件である規制当局の承認を要する。
ガバナンスの継続性
本契約では、取締役会の継続性についても明確に規定されている。IAC指名の2議席のいずれかが空席となった場合、MGMは1か月以内に後任を任命しなければならない。両取締役は、MGMの社内ガバナンス基準に加え、適用される規制上の適格性要件も満たす必要がある。
この規制要件は実務的にも重要である。ネバダ州(Nevada)やニュージャージー州(New Jersey)などのゲーミング管轄では、大株主や取締役候補に対し、財務状況、事業関係、個人の行動などを含む適格性審査が行われる。提出書類における「必要な規制当局の承認」という明記は、単なる定型文ではなく、こうした実務を反映したものである。

IACの株主としての位置づけ
IACは約6,680万株のMGM株式を保有しており、スケジュール13Dの提出によれば議決権の約25.7%を占める。これは同社が長年にわたり築いてきたものであり、MGMにおける最大級の株主の一つとなっている。
今回合意された比例投票メカニズムは、上場企業のガバナンスにおいて一般的に見られる構造である。一定水準を超える株式保有による経済的利益を維持しつつ、議決権については他の株主の意思と整合させる仕組みである。同様の例としては、2021年にBally’s Corporationが一部株主による株式発行支持の約束に関連して採用したケースがある。
契約終了条件
本契約には明確な終了条件も定められている。IACの保有比率がMGMの議決権の17.5%未満に低下した場合、MGMがIAC指名の2名の取締役を維持できなくなった場合、またはMGMに支配権の変更が生じた場合には、自動的に終了する。
さらにディラー個人に関する特則もある。彼がIACの会長または上級経営職を退任し、かつ同社における議決権の3分の2以上を同時に失った場合、彼の関連主体は本契約の議決制限から解放される。この点で本契約は、構造的要素に加えて個人的要素も含んでいる。
規制産業におけるガバナンス
複数のライセンス管轄でカジノやリゾートを運営する企業にとって、大株主に関するガバナンス条件を明確化することは、緊張関係の兆候ではなく通常の実務である。規制当局は所有構造や取締役構成の透明性を重視しており、この種の開示はそうした義務を満たすものである。
MGMのポートフォリオには、ラスベガスのベラージオやMGMグランド(MGM Grand)などの施設に加え、米国内の地域施設、さらにBetMGMとして展開されるオンラインスポーツベッティング事業(Entainとの提携)も含まれる。親会社レベルでの取締役構成や議決権の変化は、複数州のゲーミング規制当局の監督対象となる。
今回提出された契約が現時点の条件を定めるものであり、追加の取締役会変更は発表されていない。
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