MetaのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、KalshiやPolymarketのような予測市場プラットフォームに着想を得た実験的アプリ「Arena」の開発に向け、小規模チームを編成した。
関係者がメディアに語ったところによると、Arenaは当初、実際の資金を賭ける仕組みではなく、ビデオゲーム型のポイントシステムを採用する予定だという。これはMetaが試験運用している複数の新規アプリの一つであり、Facebook、Instagram、WhatsApp、Messengerとは独立して運営される設計となっている。
利用者基盤と戦略
Metaの公開情報によると、2026年4月時点で1日当たりのアクティブ利用者数は35億6,600万人に達している。同社は既存のエコシステムを通じてArenaへ利用者を誘導する方針だが、正式な公開日は発表されていない。
今年のMetaは、広告収入依存からの転換を進めており、サブスクリプションモデル、AIによる広告自動化、ハードウェアおよびインフラへの選択的投資を戦略の柱として位置付けている。
サブスクリプションは広告市場の変動を補う継続収益を生み出し、一方でArenaのようなポイントベースの仕組みは、プライバシー規制やギャンブル関連法規への対応負担を軽減する可能性がある。
さらに、AIは予測市場をアルゴリズム取引型エコシステムへ変化させつつあり、従来のデリバティブ市場との境界を曖昧にしている。KalshiやPolymarketはすでにAIモデルを活用したリアルタイム取引を試験導入しており、一定の成果を上げているとされる。集合知と自動化のバランスが、予測市場が参加型であり続けるか、機関主導型市場へ変わるかを左右するとみられている。
市場見通し
Metaは現在、単なるSNS企業ではなく、AIとインフラを包括的に提供する企業への転換を進めている。Localogyによると、サブスクリプション事業やAI広告は、大規模設備投資への懸念を抱く投資家の安心材料になっている。
さらに専門家は、予測市場全体の年間取引高が2030年までに1兆ドル規模へ達する可能性を予測しており、Meta参入の重要性が注目されている。一方で課題もある。有料化は無料サービスに慣れた利用者離れを招く可能性があり、サブスクリプションのバンドル販売は独占禁止法上の監視対象となる可能性も指摘されている。
かつてFacebook Reality Labsとして知られていたReality Labsは、Meta Platforms傘下でVRおよびAR技術開発を担う部門だが、複数の報道によれば依然として数十億ドル規模の損失を計上しており、長期的な持続可能性への疑問も生じている。
Polymarketへの規制監視
2026年半ば時点で、予測市場の主要競合にはPolymarket、Kalshi、Manifold Markets、Metaculus、Azuro、PredictIt、さらにIowa Electronic MarketsやAugurといった老舗プラットフォームが存在する。
各社には特徴があり、Polymarketは分散型取引市場における流動性で優位性を持つ。一方、Kalshiは米国内で完全規制下にある唯一の取引所となっている。ManifoldやMetaculusは、主にポイント制予測や研究用途に特化している。
先週火曜日には、Polymarketが米国向けマーケティング施策において、インフルエンサーへ報酬を支払い、架空の取引や利益演出を行わせていたとの報道が浮上し、すでに緊張感の高まっている予測市場の規制環境へ新たな論点を加えた。複数メディアによれば、同社は社内基準および開示規制への適合確認のため、「現在運用中の販促コンテンツに対する包括的監査」を実施すると説明している。
CFTC規制
米商品先物取引委員会(CFTC)は、予測市場規制の再構築を進めており、許容されるイベント契約の明確化や、連邦レベルの独占的監督権限強化に向けた提案を公表している。主な論点には、小口投資家保護、市場の公正性、州規制と連邦規制の権限配分が含まれる。
Metaはポイント制導入によって当初はギャンブル事業者認定を回避する可能性があるものの、将来的な収益化が進めばCFTCによる監視対象となる可能性がある。今後の訴訟次第では連邦最高裁判所まで争点が持ち込まれ、規制権限の将来に影響を与える可能性もある。
一方で、一部専門家は、ドナルド・トランプ政権による調査実施の可能性は低いと指摘している。その背景には、一族による予測市場との関係や、CFTC委員長マイケル・セリグ氏とのつながりが挙げられている。
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