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ニューヨークのカジノ拡張計画がニュージャージー州の「ラシーノ」論争を再燃

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

ニューヨーク市が 3 件のカジノ計画を進めていることを受け、ニュージャージー州では再びアトランティックシティ以外でのカジノ設置を巡る議論が再燃している。焦点はメドウランズ競馬場とモンマスパーク競馬場だ。長年、アトランティックシティ以外でのカジノ拡大は非現実的と見られていた。しかしニューヨーク州が大規模カジノを都市圏に開設しようとする中、トレントンの州当局者は、北部市場を失うのではないかと危機感を募らせている。

12 月 1 日、ニューヨーク州ゲーミング施設立地委員会は、ダウンステート地域(ニューヨーク市周辺)における 3 件のカジノ計画をライセンス付与候補として推薦した。これらの案件はクイーンズ区とブロンクス区に位置し、同州のゲーミング政策における大きな転換点となる。ゲーミング委員会が承認すれば、2026 年半ばまでに開業する可能性があり、ニューヨーク都市圏は全米でも主要なカジノ拠点の一つへと変貌することになる。

ニュージャージー州のギャンブル産業への脅威

数十年にわたり、大西洋岸のギャンブル中心地はアトランティックシティだった。しかしニューヨークがカジノ開発を進めるにつれ、その勢力図は変わりつつある。新たなカジノは、これまでニュージャージー州へ向かっていた観光客や地元プレイヤーを取り込むと予想される。ニューヨークの計画が成功すれば、ニュージャージー州がラスベガス以外の高級ギャンブル市場を主導してきた従来の構図が崩れる可能性がある。

ニュージャージー州当局が最も懸念しているのは歳入だ。ニューヨーカーが地元でギャンブルするようになれば、その分だけニュージャージー州の税収は減る。アトランティックシティの顧客の多くは北部ニュージャージー州在住者だが、今後はニューヨークのカジノに行く方が近くて便利になる。アトランティックシティは依然としてパンデミック後の回復途上であり、来訪者数の減少は回復のペースを鈍らせ、場合によっては逆戻りさせる可能性がある。

ジョー・ペナッキオ上院議員の主張

州上院議員ジョー・ペナッキオ(共和党・第 26 選挙区)は、ニュージャージー州がカジノを拡大しないことで歳入を逃していると長年主張してきた。ペナッキオ氏の中心的な論点は、競馬場を活用したギャンブル拡大の機会を逃しているという点だ。彼の提案は、州のギャンブル収益の扱い方を改めることに重点を置いている。メドウランズにラシーノ(競馬場併設カジノ)を設置すれば、毎年数億ドル規模の財源が生まれ、不動産税の軽減、教育、年金財政の支援に充てられると主張する。

彼は最近の声明でこう述べている。「ニューヨークは 3 つの新しいカジノ開発を突き進めているのに、ニュージャージー州は何もせず、収益が川向こうに流れていくのをただ見ている。こんなことは許されない。メドウランズのラシーノは即座に経済エンジンになり得るのに、州の指導者たちは動こうとしない。私はラシーノ設置の要請を改めて強く訴える。近隣州に遅れ続ける余裕など、ニュージャージー州にはない。」

ニュージャージー州のギャンブル拡大の行方

マンハッタンに近いメドウランズ競馬場は、すでに主要なスポーツベッティング拠点である。ここにスロットマシンやテーブルゲームを追加すれば、その役割はさらに拡大するとみられている。市場分析では、メドウランズのカジノは立地の優位性からアトランティックシティの一部カジノを上回る可能性があると指摘されている。

SCR130 は、ニュージャージー州議会が提出した州憲法改正案で、アトランティックシティ以外で最大 2 つのカジノを、メドウランズおよびモンマスパーク競馬場に設置できるようにする内容だ。これは 2016 年に住民投票で 77 対 23 で否決された提案とは異なり、立地を限定した、より狭い範囲の計画となっている。

2025 年案の特徴

SCR130 はカジノ拡大を 2 カ所に限定し、過度な拡散を防ぐ狙いがある。また、収益の使途を明確化し、不動産税の軽減、年金基金、アトランティックシティ観光産業の支援などに充てることを規定している。支持者は、こうした限定的で透明性の高い設計により、2016 年よりも有権者に受け入れられる可能性が高まると考えている。

フィル・マーフィー州知事も、カジノ拡大案の再検討に前向きな姿勢を示している。地元メディアの報道によれば、マーフィー知事は「アトランティックシティは重要だが、競争環境の変化を理解しなければならない」と述べたという。これは 2016 年以降の沈黙から一歩踏み出す発言となる。

タイムラインと立法上の壁

アトランティックシティの関係者は依然慎重だ。北部ニュージャージー州に新たなカジノができれば、既存の収益を奪い、市の回復を遅らせる可能性があるからだ。今夏はアトランティックシティにとってここ数年で最も好調な時期だったが、多くの関係者は新たな競争に直面するより、この勢いを生かしたいと考えている。また批判者は、カジノ拡大によって収益が分散し、結果として州全体の利益が減少する可能性も指摘する。

SCR130 にはいくつかの課題がある。2026 年 8 月までに州議会上下両院で 5 分の 3 の賛成を得て通過しなければ、11 月の住民投票の対象にならない。政治的に割れた議会でこの多数派を形成するのは容易ではない。もし成立すれば、ニュージャージー州の近年で最も重要なギャンブル関連の投票の一つとなる。

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