ブラジル連邦政府は、国内の固定オッズベッティング広告を制限する新たな規則を発表した。2026年7月17日に施行される新措置では、すべての広告キャンペーンに警告メッセージの表示を義務付けるほか、解説者、専門家、インフルエンサーによるベッティングの推奨を禁止し、規則に違反した事業者への罰則も強化される。新ルールは財務省が発表し、2つの省令によって正式に施行される予定だ。
新たな規則は、業界規制の強化を目的として策定されたもので、責任あるギャンブル政策を強化するとともに、誤解を招くとされる手法を抑制し、衝動的なベッティング行動を助長する可能性のあるマーケティング戦略を制限することを目指している。
広告に警告表示を義務付け
主な変更点の一つとして、認可を受けた事業者によるすべての広告には、たばこ、アルコール飲料、医薬品の広告と同様の形式で、財務省が定める警告メッセージを表示することが義務付けられる。表示が義務となる警告文は以下のとおり。
「財務省警告:ベッティングはお金を失う行為です」
「財務省警告:ベッティングは依存症を引き起こす可能性があります」
「財務省警告:ベッティングは投資ではありません」
政府によると、この措置は利用者にベッティングに伴うリスクを明確に伝え、ベッティングは投資や収入源と見なすべきではないことを明示することを目的としている。また、ギャンブルには金銭的損失や依存症のリスクが伴うことへの理解を深める狙いもある。
インフルエンサーや解説者による推奨を禁止
もう一つの大きな変更点は、デジタルインフルエンサー、スポーツ解説者、専門家が放送や番組、デジタルプラットフォーム上のコンテンツで果たす役割に関するものだ。
財務省と法務・公安省が共同で策定した第2の省令では、これらの関係者が自身の信頼性や専門性を利用してベッティングを推奨したり、特定のベッティング市場を勧めたりすることが禁止される。この規制はテレビ、ラジオ、ストリーミングサービス、ポッドキャスト、SNSなど、あらゆる情報発信チャネルに適用される。
新ルールの発表に際し、財務省のダリオ・ドゥリガン次官は、専門家は一般の人々から権威ある存在として認識されており、その立場を利用してベッティングを促すべきではないと述べた。また、スポーツ分析とベットの推奨を組み合わせることは、リスクを伴う金銭的判断にあたかも専門的なお墨付きがあるかのような誤解を与える可能性があると指摘した。
新規則ではさらに、過去の高額配当や勝利実績など、他人の成功事例のみを強調して追加のベッティングを促すような情報の宣伝も禁止される。
財務省は、このような広告は成功例だけを取り上げ、多くの利用者が損失を被っている実態を示さないため、ギャンブルに対する歪んだ認識を生み出すと説明している。
CazéTVを巡る問題が議論を加速
今回の新措置は、CazéTVによるFIFAワールドカップ中継を巡る論争から数週間後に発表された。CazéTVは、主要スポーツ大会を無料でオンライン配信するブラジルのスポーツチャンネルで、FIFAワールドカップやオリンピック、ブラジル選手権などを主にYouTubeで配信しているほか、Disney+、Prime Video、Samsung TV Plusなどでも視聴できる。
一部の中継では、解説者がオッズに言及したり、試合に関するベットを勧めたりしたことが視聴者や議員から批判を受けた。この問題は法的手続きに発展し、国家消費者事務局(Senacon)が調査を開始。その後、同チャンネルはベッティング広告の形式を変更し、視聴者へのベット推奨を取りやめた。
また、ICL Notíciasが公表した調査では、中継中に推奨されたベットの61%が利用者の損失につながっていたことが判明し、大きな注目を集めた。この調査は政府によるものではないが、スポーツ中継におけるベッティング広告の在り方を巡る議論をさらに活発化させる一因となった。
ライセンス取り消しも含む厳しい罰則
新たな省令では、7月17日に施行される新要件に違反した事業者に対する罰則も定められている。違反した場合、事業者の売上高の最大20%に相当する罰金、最長180日間の営業停止、さらに重大または繰り返しの違反ではブラジル市場での営業ライセンス取り消しが科される可能性がある。
政府の規制方針には、認可事業者への監督強化に加え、違法市場への対策、責任あるギャンブル政策の推進、高リスクなベッティング行動の監視、広告の透明性向上なども含まれている。ブラジルではすでに、ベッティングを富を築く手段として宣伝することや、ギャンブルを経済的成功と結び付ける広告、未成年者を対象とした広告は禁止されている。今回の省令では、特にインフルエンサーやコンテンツクリエイター、スポーツ中継を活用した広告において、これらの規制をどのように適用するかがより具体的に定められている。
政府は、新たな措置によって脆弱な利用者への広告の影響を軽減し、業界全体の責任ある運営基準を引き上げるとともに、認可事業者に対してより厳格な規制環境を整備することを目指している。事業者、広告代理店、メディア企業、コンテンツ制作者は、7月17日の施行までに広告戦略を見直し、新ルールへの適合を図る必要がある。
この記事は2026年7月10日にポルトガル語版SiGMA Newsで最初に掲載されました。
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