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ミャンマー、継続するAML懸念の中でFATFブラックリストに残留

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

金融活動作業部会(FATF)は、2026年6月19日の審査後、ミャンマーを「行動要請対象の高リスク管轄区域(High-Risk Jurisdictions Subject to a Call for Action)」、通称FATFブラックリストに引き続き掲載すると確認した。FATFは、捜査体制、国際協力、資産没収の取り組み改善など、ミャンマーがマネーロンダリング対策およびテロ資金供与対策(AML/CFT)体制の強化で一定の進展を見せていることを認めた。

ミャンマーは、FATF行動計画上の主要義務を達成できなかったことから、2022年10月以降、監視強化の対象となっている。その結果、海外の金融機関は引き続き、ミャンマー関連取引や商業提携に対して強化されたデューデリジェンスを実施する必要がある。

ミャンマーがブラックリストに残る理由

ミャンマーが高リスク管轄区域リストに残っている理由は、マネーロンダリングおよびテロ資金供与対策制度の脆弱性を完全には解消できていないためである。FATFは、同国が直面するリスクに見合った形で、マネーロンダリングを検知・捜査・起訴する実効的な仕組みを依然として欠いていると指摘している。

同機関は次のように述べた。「FATFは、詐欺やサイバー詐欺の脅威に関連する違法資金リスクへ対応するため、ミャンマーに適切な措置を講じるよう求めており、この点について引き続きミャンマーと協力していく。こうした違法資金の脅威へ対処する際には、犯罪組織による人身売買被害者への配慮を十分に行うべきである。」

2026年6月時点で、FATFブラックリストに残っている国はミャンマー、イラン、北朝鮮の3か国のみである。6月の審査では新たな追加や除外は行われず、一定の進展が認められたにもかかわらず、ミャンマーの状況は変更されなかった。

FATFによれば、ミャンマーの行動計画は2021年9月に期限切れとなった。同国は定められた期間内に大半の義務を果たせず、その結果、2022年10月にブラックリスト入りした。進捗状況はFATFの定期審査サイクルに基づいて評価されている。

FATFは、ミャンマーのAML/CFT体制における複数の恒常的課題も指摘している。これには、金融情報の活用不足、マネーロンダリング捜査件数の少なさ、起訴成果の弱さ、犯罪資金ネットワーク遮断の実績不足が含まれる。また、技術を利用した詐欺やサイバー犯罪といった新たなリスクへの対応能力についても懸念が示されている。

金融情報活用の強化

ミャンマーは金融犯罪対策において一定の進展を見せている。当局は、捜査における金融情報の収集・活用方法を改善した。これは重要な変化であり、現代型犯罪は多くの場合デジタル痕跡を残し、それを分析することで個別事件ではなく、より大規模な犯罪ネットワークを明らかにできるためである。

FATFはまた、越境型マネーロンダリング捜査におけるミャンマーの成果も評価した。犯罪組織は通常、一国だけで活動するわけではなく、そのため他国との協力が不可欠となる。協調体制の強化は、ミャンマーが国際的な法執行活動への関与を深めていることを示している。

改善が見られたもう一つの分野は資産回収である。当局は犯罪収益の凍結、差押え、没収を強化した。違法利益を取り除くことは、組織犯罪への最も有効な抑止策の一つとされ、犯罪の経済的動機を奪う効果がある。FATFは今回の審査でこの点も評価した。

2026年10月に向けたFATFの警告

2026年6月のFATF審査では、10月までにさらなる進展が見られない場合、対抗措置を導入する可能性があるとの強い警告も示された。対抗措置には、国際金融システムを高リスク国から保護するための制限措置が含まれる可能性がある。FATFは具体策を明示していないものの、この警告自体が大きな懸念材料となっている。

声明では、人道支援活動の保護の重要性も強調された。FATFは、強化されたデューデリジェンスが正当な支援活動、非営利活動、送金、地震被災支援を妨げてはならないと述べた。これは、厳格なAML/CFT規制が高リスク地域で活動する支援団体の障壁になり得るため重要な区別である。FATFは、市民社会や人道支援団体を保護するため、リスクに応じた均衡ある措置の採用を推奨した。

拡大する詐欺とサイバー詐欺の脅威

FATFは、ミャンマーにおける詐欺およびサイバー詐欺の規模について深刻な懸念を示している。これらの活動は依然として広範囲にわたり、大規模な違法資金リスクを生み出し続けている。こうした詐欺には、偽の投資プラットフォーム、オンライン詐欺スキーム、ロマンス詐欺、暗号資産詐欺、その他さまざまなデジタル上の欺瞞行為が含まれることが多い。そこで生み出された資金は資金洗浄経路を必要とするため、サイバー犯罪対策においてAMLの執行は中心的な役割を担っている。FATFの指摘は、サイバー詐欺が依然としてミャンマーの制度適合に向けた進展を妨げる最大の障害の一つであることを示している。

ミャンマーはオンライン詐欺やゲーミング対策の国家委員会を設立し、国際協力も強化しているが、FATFは問題が依然として深刻だとみている。犯罪組織は法執行体制よりも速く適応しており、違法資金の流れを阻止しようとする当局に継続的な課題を突き付けている。

またFATFは、サイバー犯罪、人身売買、組織犯罪の関連性にも言及した。多くの詐欺拠点では、人身売買被害者が強制的に詐欺活動へ従事させられているとされる。そのため、金融犯罪への対処には法執行だけでなく、被害者保護や人権保障も必要となる。

FATFブラックリスト入りは深刻な経済的影響を伴う。ミャンマー関連ビジネスでは強化されたデューデリジェンスが必要となり、コスト増加や取引処理の遅延を招く。一部では銀行がブラックリスト国との取引自体を拒否する可能性もある。外国投資家にとってブラックリスト入りは、規制リスクおよび評判リスクの高まりを示す警告サインと見なされている。

中国・ミャンマーによる反詐欺推進

中国の習近平国家主席は、オンラインギャンブルを含む犯罪活動への対策強化をミャンマーへ求めた。北京での会談で、ミャンマーのミン・アウン・フライン指導者は、国境安全保障を維持しながら、オンラインギャンブルや通信詐欺の取り締まりで中国と緊密に協力する用意があると表明した。

この会談は、中国がミャンマーの詐欺拠点に関与した11人を殺人、詐欺、カジノ運営の罪で死刑執行してから数か月後に行われた。当時、中国外務省は東南アジア諸国と連携し、オンラインギャンブルや通信詐欺の根絶を進めていると説明していた。

しかし、これらの死刑執行は、中国当局が以前、ミャンマー国境付近の詐欺拠点はすでに解体されたと発表していた後に行われた。こうした活動が依然として継続している事実は、この地域の違法ネットワークを完全に根絶することの難しさを示している。

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