Skip to content

CFTC、ミシガン州裁判所の判断にもかかわらずKalshiのスポーツ契約を支持

Sudhanshu Ranjan
執筆者 Sudhanshu Ranjan
翻訳者 Hanako Takagi

CFTC(米商品先物取引委員会)は、ミシガン州の裁判所がKalshiに対し取引の取り消しを命じる仮処分を出していたにもかかわらず、同州におけるスポーツイベント契約の取引継続を命じました。当初、裁判所はKalshiが命令に従わなかったことを受けて警告を発し、2026年8月12日までにミシガン州でジオフェンシングを実施しなければ、1日あたり12万米ドルの制裁金が科され、その後は最大で1日50万米ドルまで増額される可能性があるとしていました。

2026年7月14日にCFTCが講じた緊急措置により、スポーツ予測市場の規制を巡り、連邦当局と州当局の間で即座に対立が生じました。CFTCは、ミシガン州の措置が連邦規制下にあるデリバティブ市場へ影響を及ぼすと主張する一方、州当局はKalshiが提供するスポーツイベント契約は、州法上規制対象となるスポーツベッティングに該当すると主張しています。

CFTCとミシガン州の法廷闘争

この対立は、ミシガン州当局が、Kalshiが州内のスポーツブックに必要なライセンスを取得せずにスポーツベッティングに類似した商品を提供していると主張したことから始まりました。ミシガン州の裁判所はこれに同意し、住民向けのスポーツイベント契約の提供を停止し、特定のポジションを解消するようKalshiに命じる仮差止命令を発令しました。また、期限までに対応しなかった場合には金銭的制裁を科す可能性も警告しました。

これを受け、KalshiはCFTCに対し緊急ルール制定を申請し、ミシガン州の命令に従うため関連ポジションを清算する許可を求めました。しかし、この申請は却下されました。CFTCは緊急権限を行使し、すでに成立した取引を取り消すことを認めなかったためです。その理由として、州政府には連邦市場で成立済みのデリバティブ取引を取り消すよう取引所へ命じる権限はないとしています。

マイケル・セリグ委員長は、連邦登録を受けた指定契約市場(DCM)は、居住州にかかわらずすべての適格参加者に平等なアクセスを提供する義務があり、州当局が特定の契約に異議を唱えていることだけを理由に利用者を差別することはできないと強調しました。

セリグ委員長は次のように述べています。「州政府はDCM(指定契約市場)に対し、その義務に反する行為を強制することはできません。また、連邦法はDCMが州民を差別することを認めていません。すでに執行済みの取引を取り消すことは前例のない措置であり、市場全体に連鎖的な影響を及ぼす危険性があります。さらに、機能する市場に不可欠な契約の確実性を損なうことになります。」

CFTCの対応

CFTCによる緊急介入は、予測市場を巡る議論の転換点となりました。同委員会は初めて、自ら登録した事業者が州裁判所の命令に従うことを阻止しました。ミシガン州の仮差止命令に従ってKalshiが取引を解消することを認める代わりに、CFTCは緊急権限を行使し、成立済み契約を履行するよう取引所に命じたのです。

セリグ委員長は、州政府が取引所に成立済み取引の無効化を命じることが可能になれば、デリバティブ市場全体に不確実性が持ち込まれると指摘し、自身の判断を擁護しました。成立済みの取引は法的拘束力を持つ契約であり、州政府が対象商品に異議を唱えたという理由だけで取り消すことはできないとしています。

さらに同委員長は、取引所は連邦規制下にある以上、州政府の反対を理由として利用者を差別すべきではなく、居住地にかかわらずすべての利用者を平等に扱うべきだと述べました。

複数州にまたがる法廷闘争

ミシガン州は、スポーツ予測市場を巡る全米規模の対立の一部に過ぎません。複数の州規制当局は、Kalshiの契約は従来のスポーツベッティングに類似しており、州のギャンブルライセンスが必要だと主張しています。

これに対し、CFTCはアリゾナ州、コネチカット州、イリノイ州、ケンタッキー州、ミネソタ州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、ロードアイランド州、ウィスコンシン州を相手取り訴訟を提起しました。いずれの訴訟も、イベント契約を連邦規制下のデリバティブ商品とみなすべきか、それとも州が管理するギャンブル商品とみなすべきかが争点となっています。

また、CFTCは第6巡回区控訴裁判所、第9巡回区控訴裁判所、マサチューセッツ州最高司法裁判所を含む複数の裁判所に法廷助言書(アミカス・ブリーフ)を提出しています。その主張の中心は、商品取引所法により特定の契約市場についてはCFTCが排他的管轄権を有し、連邦法は抵触する州法に優先するというものです。これは、全国的に適用可能な判例を確立しようとするCFTCの強い姿勢を示しています。

予測市場を検討する法域が増えるにつれ、法的問題がどのように展開するかを見通すことはますます難しくなっています。一部では、最終的に同様の争点が米国連邦最高裁判所まで持ち込まれる可能性も指摘されています。

Kalshiが置かれた板挟みの状況

Kalshiはスポーツイベント契約の合法性を一貫して主張していますが、今回のCFTCによる介入は、同社が置かれた厳しい立場を浮き彫りにしました。ミシガン州が仮差止命令を勝ち取った後、Kalshiはミシガン州の顧客が保有する特定ポジションを強制清算する許可をCFTCに求めました。

同社は、裁判所命令を無視すれば毎日数十万米ドル規模の制裁金が科される可能性があるため、命令に従うことは法的義務であると主張しました。しかし、州政府の要求に応えようとすることは、連邦規制当局との直接的な対立を招き、企業として極めて異例の板挟み状態に置かれることになりました。

CFTCが緊急対応案を却下したことについて、Kalshiは失望を表明しました。同社の法務顧問であるロバート・デノールト氏は、同社はすでにミシガン州裁判所の命令に従って取引の解消を開始していたと説明しました。そして、一方の当局に従えばもう一方の当局に背くことになる「不可能な立場」に置かれていると述べました。

予測市場の今後

CFTCの今回の対応は、ミシガン州やKalshiだけにとどまる問題ではありません。本質的には、イベント契約が金融商品なのか、それともギャンブル商品なのかという、より大きな問題に関わっています。連邦裁判所がCFTCを支持した場合、事業者は州ごとに異なる規制に対応する必要が少なくなり、全国共通の基準で利用者に契約を提供しやすくなります。一方で州側が勝訴した場合には、スポーツベッティングと同様に州ごとに異なる規制が課されることになります。

CFTCと州のカジノ規制当局との対立は、下級裁判所だけでは決着しない可能性があります。複数の法域で訴訟が進行中であり、控訴裁判所でも関連する問題が審理されていることから、相反する判断が下される可能性があります。連邦巡回区裁判所の判断が分かれた場合、米国連邦最高裁判所が法解釈を示すために介入することが少なくありません。今回も最高裁まで争われれば、連邦によるデリバティブ規制と州によるギャンブル規制の境界を定める重要な判例となる可能性があります。

最新情報を見逃さず、世界最大級のiGamingコミュニティに参加しましょう。SiGMAの「Top 10 News」カウントダウンにこちらから登録すると、世界有数のiGaming情報源による毎週の最新情報や、購読者限定の特典を受け取ることができます。

This site is registered on wpml.org as a development site. Switch to a production site key to remove this banner.