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「規制は状態ではなくプロセスである」:マット・サハキアンが語るブラジル、文化の橋渡し、そしてラテンアメリカにおけるiGamingの未来

Shirley Pulis Xerxen
翻訳者 Hanako Takagi

最近、ラテンアメリカ市場に深く根ざし、ブラジルのトップクラスのオペレーターを代表しながら世界的な機会へとつなぐ独立系iGamingコンサルタント、マット・サハキアンに話を聞く機会があった。握手から始まり、気づけば業界全体の哲学的基盤にまで話が及ぶ、そんな類いの対話だった。ブラジル、規制、文化、AI、そしてこの業界が今後どこへ向かうのかについて語り合った。

アルメニアからラテンアメリカへ

マットの経歴は、典型的なiGamingのキャリアとは一線を画している。出生地であるフランスからアルメニアへ移り、DigitainでiGaming業界でのキャリアをスタートさせた。スペイン語、ポルトガル語、フランス語、アルメニア語を操る稀有な語学力により、アルメニアに拠点を置きながらヨーロッパ、ラテンアメリカ、そしてローカル市場を橋渡しできるほぼ唯一の存在だった。「用語を“トロピカル化”し、ラテンアメリカ市場に合わせてテクノロジーを適応させることに貢献していた」と彼は語る。

彼の初期の仕事は、地道なJiraタスクの積み重ねだったが、実際には単なる言語の翻訳ではなく「賭けの文化」を翻訳する作業だった。エレバンで構築されたプラットフォームがペルーやアルゼンチンのプレイヤーに響くようにする必要があったのだ。「ペルー市場向けの改善は、アルゼンチンで必要とされるものとはまったく異なる」と彼は説明する。「この2つのiGaming市場は、互いにほとんど共通点がない。」

こうした文化的インテリジェンスが評価され、ブラジルの規制変更を受けた2025年に自身のコンサルティング会社を設立。現在はブラジルの大手ライセンス取得オペレーターのいくつかを代表している。それ以前には、BetConstructでラテンアメリカ地域の戦略プロジェクト責任者を務めていた。

なぜ文化的理解はAI翻訳を上回るのか

マットの言葉で特に印象に残ったのは、AI時代における「翻訳」の意味についてだ。現在ではAIがあらゆる言語を瞬時に翻訳できる時代であり、iGamingでもパーソナライズからコンプライアンスに至るまでAI主導の運用モデルが当たり前になりつつある。しかし彼は、「言語の翻訳」と「文化の翻訳」を明確に区別する。

「今や重要なのは言語を翻訳することではない。翻訳者やAI翻訳、さまざまな技術ツールがすでにコミュニケーションの壁を埋めている」と彼は言う。「重要なのは文化という要素を加えることだ。では文化をどう翻訳するのか? それはビジネスにおけるより高次の目的に関わるものであり、iGamingでは文化が非常に大きな意味を持つ。」

テクノロジー主導の業界では見落とされがちな視点だが、ラテンアメリカではこれこそが成功と失敗を分ける要因となる。どれほど洗練されたプラットフォームを持っていても、各市場ごとの賭け方の習慣、決済の好み、規制の違いを理解していなければ、成功は難しい。

ブラジル:期待と現実

この2年間、誰もが気にしてきた問いをマットに投げかけた――ブラジルは期待に見合う成果を出しているのか。彼の答えは冷静で率直、そして新鮮なほど多面的だった。

「ブラジルの規制はプロセスであり、今も進行中だ」と彼は語る。「確かに規制の正式な2年目に入っている。しかし現場の実態は、はるかに多様で、やや複雑だ。」

これは的を射ている。ブラジルの賞金・賭博局(SPA)のもとでの連邦ライセンス制度は、2025年1月1日に正式に開始され、事業者には財務省の有効なライセンス取得が義務付けられた。しかし2026年2月には、市場は大きく揺れた。プレイヤーの入金に15%を課税するCIDE-Bets案(最終的には否決)が浮上し、認可事業者に打撃を与える一方で、依然としてブラジルのプレイヤーにサービスを提供している数千の無認可プラットフォームに利する可能性があったためだ。

マットは、多くの海外の観察者が見落としがちな点も指摘する。ブラジルの規制の歩みは、連邦ライセンスから始まったわけではない。リオデジャネイロ州のLoterjライセンスは、連邦制度が始動する2年半も前からオンラインゲーム事業に対して課税を行っていたのだ。しかしこのLoterjも、その後大きな転機を迎えた。2026年初頭、最高連邦裁判所の判断を受け、Loterjライセンスを持つ事業者はリオデジャネイロ州外での運営停止を命じられ、州境を遵守するためのジオロケーションの導入が求められた。「規制は成功と同じで、状態ではなくプロセスだ」とマットは説明する。

ルーラ大統領がオンラインベッティングプラットフォームの拡大に懸念を表明し、より厳格な規制を求める声が政治的議論を形成し続けている中で、この視点は業界関係者にとって内面化すべき重要な示唆と言えるだろう。

ラテンアメリカのオペレーターにとってのAIの必然性

マットは、ブラジルおよびラテンアメリカのオペレーターが自国の枠を超えて視野を広げるべき理由について、説得力のある主張を展開した。彼によれば、テクノロジーの進化はあまりにも速く、誰もが自分のコンフォートゾーンにとどまり続ける余裕はない。

「iGamingは、テクノロジーの進化の速さを象徴する分野だ」と彼は語る。「このAI革命は、わずか数か月のうちに数多くの活用方法を見出し、オペレーションの成功に貢献している。だからこそ、ブラジルやラテンアメリカのオペレーターは、自分たちのコンフォートゾーンの外で何が起きているのかを見に行くべき理由がある。」

まさにその通りだ。AIはもはやiGamingにおいて「あれば良い」ものではない。2026年現在、AI主導のユーザージャーニーに本気で取り組むオペレーターは、プレイヤーのライフタイムバリューを20〜40%向上させている。また、AIを活用した責任あるギャンブル対策ツールは、業界を事後対応型の耐性強化から、予防的アプローチへと移行させつつある。

ランドベースの夢:観光、雇用、そして未開拓の潜在力

今回の対話の中でも、おそらく最も大胆だったのは、マットがオンラインゲームの先にあるブラジルの次なるフロンティアとして、リテールおよびランドベースオペレーションに目を向けた部分だ。

「iGamingにおけるリテール事業は、ホテルやリゾートと結びついている」と彼は語る。「観光が十分に開発されず、活用されず、促進もされていないブラジルのような国にとって、雇用創出の可能性は非常に大きい。」

ブラジルにおけるランドベースカジノの立法プロセスは、依然として平坦ではない。ビンゴや競馬とともに、リゾートおよび観光複合施設でのカジノを合法化する法案第2,234/2022号は、2025年半ばに上院の議題から外された。さらに同年12月には、上院本会議で緊急審議の動議が36対28で否決され、迅速審議は見送られ、通常の立法手続きに戻されている。そのため、最終承認の時期は未定であり、大統領の裁可に進むには本会議での採決が依然として必要だ。ただし、この法案の支持者は、最大1,000億レアルの投資と約150万人の雇用創出が見込まれると試算している。IJLの会長であるマグノ・ジョゼのような業界リーダーは、2026年の採決によって大きな進展が起こる可能性を指摘している。

マットが伝えたかった本質は、業界としての誇りと存在意義にある。「オンライン規制だけでも、ダイナミックで若く才能ある人材のために、多くの高賃金の雇用を生み出してきた」と彼は述べる。「この業界と、それに伴う規制が社会にもたらしている価値を、私たちは誇りに思うべきだ。」

また彼は、2026年をカンファレンスシーンにおいて「非常に濃密で、非常に多様な年」と表現している。2月のSiGMA Eurasiaをはじめ、ブラジルおよびラテンアメリカ各地でのイベント、BiS SiGMA South America、さらにSiGMA Worldなどが予定されている。こうした場で最新技術を取り入れつつ、新市場を開拓していくために、柔軟で多様性のある戦略を構築する重要性を強調している。

彼の言葉を借りれば、「私たちは誇りを持ち、世界で成長し、自分たちが属するこの素晴らしい業界とコミュニティを臆することなく発信していくべきだ。」まさにその通りだ。

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