フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)は、認可を受けたすべてのゲーミング事業者および業界関係者に対し、現在使用している責任あるゲーミングに関する広告を、同国で新たに開始された24時間365日対応の全国ギャンブル問題ホットライン(NPGH)を周知する広告素材へ差し替えるよう命じた。
PAGCORのゲーミングライセンス・開発部門(GLDD)が6月9日に発行した通達によると、この指示はライセンス保有者、供給事業者、ゲーミングシステム管理者、ゲーミング施設運営者、その他関連事業体に適用される。対象には、責任あるゲーミングに関するメッセージを掲載している看板、壁面広告、デジタルディスプレイ、そのほか屋外広告媒体が含まれる。
PAGCOR会長兼CEOのアレハンドロ・テンコ氏は、この取り組みの目的について、ギャンブルによる被害を受けている人々が支援サービスをより見つけやすく、利用しやすくするためだと説明した。
「責任あるゲーミングとは、単に認知を高めることではありません。本当に支援を必要としている人々に、助けがすぐ届く状態を整えることも意味します」とテンコ氏は述べた。「今回新たに開始したNPGHを広く周知することで、ギャンブル被害を受けた個人や家族に専門的な支援を提供できます」
さらに同氏は、「この取り組みは、すべての人にとってより安全で責任あるゲーミング環境を育むというPAGCORの姿勢を示すものです」と付け加えた。
PAGCORによると、すべての広告差し替えは7月15日までに完了し、その状態を9月15日まで維持しなければならない。また、関係事業者は指定様式を用いた状況報告書を7月16日までにGLDDへ提出する必要がある。規制当局は、従わない場合には行政上の制裁や罰則を科す可能性があると警告した。
テンコ氏は、NPGHキャンペーン素材については広告基準評議会(ASC)の承認は不要である一方、事業者には評議会から免除証明書が発行されると説明した。
責任あるゲーミング戦略の一環
今回の指示は、5月26日に開始された全国ギャンブル問題ホットラインに続くもので、この取り組みはPAGCORとSeagulls Flock Organization Inc.(SFO)による共同プロジェクトである。
この24時間体制のサービスでは、ギャンブル問題に苦しむ人々に対し、秘密保持のもとで支援、カウンセリング、治療機関紹介を提供するほか、影響を受けた家族への支援も行う。
開始式典においてテンコ氏は、このプログラムを業界成長と利用者保護の両立を図るPAGCOR施策の中核と位置づけた。
「本日開始する全国ギャンブル問題ホットラインは、ゲーミング産業が生産的で、適切に統治され、人間性を尊重し、説明責任を果たし続けるためのPAGCORの取り組みを示すものです」と同氏は述べた。
「PAGCORは、多くの人にとってゲーミングが娯楽やレクリエーションの一形態であることを理解しています。しかし一部の人にとっては、娯楽として始まったものが徐々に経済的困窮や破綻、精神的苦痛、人間関係の悪化、孤立へつながることがあります」
またテンコ氏は、支援策は規制だけにとどまるべきではないと強調した。「ギャンブル問題への対応は、規制だけでなく、思いやりを基盤とするべきです」
ホットラインには訓練を受けた準カウンセラーとメンタルヘルス専門家が配置されており、ギャンブル被害を受けた人々に対して助言、介入、長期的支援を提供する仕組みとなっている。
業界の責任

SiGMA Asia 2026での講演において、テンコ氏は商業成長と並行して責任を重視するゲーミング産業の必要性を訴えた。
「この産業を測る真の基準は、単なる規模や拡大速度ではありません。ゲーミングが適切に規制され、社会的責任を果たし、そして何より、私たちが支える地域社会に真に利益をもたらしていることを保証できるかどうかです」と出席者に語った。また、NPGHを今年のPAGCORの主要成果の一つとして挙げ、安全なゲーミング推進策への支援を業界関係者に呼びかけた。
規制当局は近年、責任あるゲーミング政策を強化している。2025年7月には、公共空間でのゲーミング広告規制を強化する一環として、PAGCORはギャンブル看板やその他屋外ギャンブル広告の撤去を命じている。
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