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インハウス vs アフィリエイト:2026年、トラフィック戦争の勝者は誰か

Kateryna Skrypnyk
執筆者 Kateryna Skrypnyk
翻訳者 Hanako Takagi

ギャンブル業界のメディアバイイング市場は構造的な転換期を迎えている。オペレーターは自社チームの構築を進める一方、大手アフィリエイトは統合を進め、小規模事業者を市場から押し出している。2023〜2024年にインハウス化へ移行した企業の多くが、現在ではハイブリッドモデルへ回帰し始めている。実際に何が起きているのか。そして高い収益性はどこに存在するのか。メディアバイイング企業Traffic.oneのオーナーであるロマン・チェサノフスキー氏(写真左)と、Trident MediaのCEOであるニキータ・コシェリュク氏(写真右)が、SiGMA News独占インタビューでその疑問に答えた。

インハウス化が進む理由

インハウスチームの増加は単なるトレンドや欧米企業の模倣ではない。その背景には4つの具体的な理由がある。

第一に、規模拡大による経済性だ。「取扱量が大きくなると、アフィリエイト手数料は莫大なコスト項目になります。平均的なオペレーターの場合、インハウスチームによって年間数十万ドルから数百万ドルを節約できます」とニキータ・コシェリュク氏は語る。ロマン・チェサノフスキー氏も同様の見解を示している。多くのオペレーターは、固定給で優秀なメディアバイヤーを雇用する方が、外部代理店へ継続的に報酬を支払うよりも安価だと考えている。

第二に、最適化のポイントがCRM内部へ移行したことだ。外部バイヤーが扱えるのは通常、初回入金までのデータに限られる。その後のプレイヤー行動はオペレーター側にしか見えない。「新しいKPIベースモデルへの移行により、最適化ポイントはオペレーターのCRM内部にあります。入金額、リテンション、LTVなどです。バイイングチームとリテンションチームを統合することで、最初の接点からロイヤルティ構築まで、ファネル全体を最適化できるシームレスな戦略が生まれます」とコシェリュク氏は説明する。

第三に、スピードと柔軟性である。製品内部に組み込まれたチームは、ボーナス制度を理解し、ターゲット層を把握し、規制変更にも迅速に対応できる。「Meta、TikTok、Googleがアルゴリズムを更新した瞬間に、当社の製品はほぼ即座に対応します」とコシェリュク氏は、Trident Appsのインフラを例に挙げる。

第四に、透明性だ。オペレーターは広告購入コスト、ターゲティング設定、ビジュアル、クリエイティブのシナリオを把握したいと考えている。規制が厳格化する中、インハウスチームはこうした情報への完全なアクセスを提供する。

チェサノフスキー氏も市場全体で同じ変化を感じている。「競争は激化し、新規参入の余地はほとんどありません。大規模なメディアバイイング組織が成長を続け、小規模プレイヤーを市場から押し出しています。」

アフィリエイトがなくならない理由

インハウスチームの台頭にもかかわらず、両氏の見解は一致しています。アフィリエイトモデルは衰退しているのではなく、変化しているのです。

「2023~2024年にインハウスチームを構築した一部のオペレーターは、現在ハイブリッド型のバイイングモデルへと回帰しつつあります」とコシェリュク氏は認めます。その理由は2つあります。

1つ目は、テスト戦略の多様化です。単一のインハウスチームは必然的に一つのテンプレートに沿って運用することになり、多様性を失います。一方、数十のアフィリエイトからなるネットワークは、1つの部門では再現できない幅広いアプローチを生み出します。

2つ目は、給与の上限です。「インハウスのポジションにいるトップバイヤーは、やがて報酬の上限に突き当たります。しかし、アフィリエイト市場には上限がなく、そのような人材を引き留め続けるのは困難です」とコシェリュク氏は述べています。チェサノフスキー氏も次のように付け加えます。「月収1万ドル以上を目指すバイヤーは外部市場を選ぶでしょう。なぜなら、インハウスチームではその条件を提示できないからです。」

外部アフィリエイトは、テスト速度、新規地域での展開、積極的なスケーリング、新たなトラフィックソースの発掘、そして従来にないプレイヤー獲得手法という5つの主要分野において、引き続きインハウス運用を上回る成果を上げています。チェサノフスキー氏は次のように総括しています。

両モデルはこれまでも共存してきましたし、今後も並行して存在し続けるでしょう。両者は互いを置き換えるのではなく、むしろ強化し合う関係にあります。

トラフィックは変化しており、その価格も変わっている

チーム構成における構造的な変化と並行して、トラフィックそのものも変化しています。チェサノフスキー氏は、市場の経済性を再構築する重要なトレンドを指摘しています。

広告主はクラッシュゲーム系トラフィックに対する投資対効果(ROI)の期待値を見直しており、その評価手法も根本的に変化しています。

クラッシュゲームやインスタントゲーム由来のトラフィックの割合が増加する中、収益性を左右する最大の要因は、それらのプレイヤーを維持し、従来型のスロットやライブゲームへ移行させられるかどうかです。チェサノフスキー氏によれば、すでにこの手法を習得したオペレーターは新たなユーザー層を開拓し、より早く投資回収を実現しています。また、この種のトラフィックを扱うノウハウを身につけたメディアバイヤーは、著しく高い利益を上げています。

市場のティア構造を見ると、どこに最大の商業的価値があるのかが理解しやすくなります。チェサノフスキー氏は次のように説明しています。

  • ティア1は市場の基盤を形成しており、全トラフィックの約60%を占めます。収益性の面で最も安定した層であり、Facebookを含む主要オペレーターのトラフィックの50~60%を占めています。
  • ティア2は全体の約20%を占めます。この層のユーザーはオンライン上でのエンゲージメントが非常に高く、許容できる品質を維持しながら大規模な流入を確保できるため、「金鉱」と呼ばれることもあります。
  • ティア3は残りの約20%を占めています。成長途上の市場であり、流入量に上限はありませんが、収益化には大きな課題があります。規制は限定的で市場環境も不安定なため、広告主はまだティア1やティア2と同等の予算を投じることに慎重です。

ローカルメディアバイイング:地域特化型インハウス体制が有効な場合

もう一つの論点は、特定市場向けのインハウスチームを構築すること自体に価値があるのかという点です。コシェリュク氏の見解は、「どちらかといえば、価値はある」というものです。

現地チームはターゲットユーザーの思考や価値観をより深く理解しています。文化的背景や地域特有のユーモア、スラング、行動を促す要因を把握しているため、よりネイティブで自然なクリエイティブを制作でき、高いエンゲージメントにつながります。また、ブラジルのPIXやアフリカのM-Pesaといった現地決済手段への理解や、各国の広告規制に関する知識によって、罰金やコンプライアンス違反のリスクも軽減できます。さらに、現地インフルエンサーとの直接的な関係を築くことで、より有利な掲載条件を確保することも可能です。

その結果、CPA(顧客獲得単価)は低下し、LTV(顧客生涯価値)は向上します。文化的な親和性の高いキャンペーンを通じて獲得したプレイヤーは、長期間にわたって利用を継続する傾向があるためです。

一方で、地域特化型のインハウスチームが費用対効果に見合わないケースは3つあります。1つ目は市場規模が小さく、チーム運営コストが見込まれる収益を上回る場合。2つ目は、文化的なローカライズをほとんど必要としない汎用的なプロダクトを扱う場合。3つ目は、その地域に十分なスキルを持つ人材が不足している場合です。

チェサノフスキー氏は、アフリカを特別なケースとして挙げています。「アフリカは、オンラインギャンブル業界全体にとって将来の成長エンジンになるでしょう。この市場はまだ形成段階にあり、ブランドも参入を始めたばかりです。しかし、潜在ユーザーは10億人を超え、その多くがスマートフォンを通じて初めてインターネットに接続しています。今の段階で参入した企業は、大きな先行者利益を得ることになるでしょう。」

理想的なパートナーシップとは

インハウス、アフィリエイト、あるいはハイブリッド型のいずれの体制であっても、オペレーターとメディアバイヤーの関係性の質そのものが、競争力を左右する重要な要素になりつつあります。

チェサノフスキー氏によれば、理想的なモデルは透明性から始まります。最初のキャンペーンを開始する前に、双方がKPIについて書面で合意し、共有チャネル上で明確に管理します。その後、GGR(総ゲーム収益)、入金額、ユーザー活動状況などのプレイヤーデータをリアルタイムで共有し、深く連携する体制を構築します。これにより、メディアバイヤーは獲得施策を迅速に最適化できるようになります。オペレーター側に求められる基本条件は、迅速な支払い対応と、流入したトラフィックを効率よくコンバージョンへつなげられる優れたプロダクトを提供することです。一方、メディアバイヤー側には、事前に合意した流入ボリュームの目標を達成すること、そして地域ごとの市場に関する知見や経験を共有する姿勢が求められます。

コシェリュク氏は、同じ考え方をプロダクト開発の観点から次のように説明しています。「私たちのプロダクトは、社内のメディアバイヤーと協力しながら、他のメディアバイヤーのために開発されています。まず自社のトラフィック規模でツールのテストと改善を行い、その有効性を確認してから市場へ投入しているのです。」

メディアバイヤーの役割はどのように変化しているのか

両氏は、メディアバイヤーという職業が根本的な変革期を迎えているという点で一致しています。

「キャンペーンの設定は、ますますアルゴリズムによって処理されるようになっています。メディアバイヤーは、キャンペーンの立ち上げや最適化に費やす時間を今後ますます減らし、その一方で、分析や新たなテスト仮説の構築により多くの時間を割くようになるでしょう」とコシェリュク氏は述べています。これに対し、チェサノフスキー氏も同意しています。「広告キャンペーンの初期立ち上げは、すでにAIツールによって実行可能になっています。そのため、メディアバイヤーは分析や戦略策定に集中できるようになるのです。」

アルゴリズムのアップデート以降、Metaのシステムを十分に学習させるためには数十種類ものクリエイティブが必要になっており、AIはその制作プロセスを大幅に効率化しています。大規模なチームでは、すでにユーザー生成コンテンツ(UGC)専任の部門を立ち上げ、AIモデルを活用した運用を進めています。

コシェリュク氏が示す近い将来の見通しは明確です。「数年後には、この職種は完全に二つに分かれるでしょう。ひとつはクリエイティブの制作と分析を担う人材、もうひとつは分析基盤や予測モデルを構築する人材です。その中間に位置する役割は存在しなくなります。」

それでも両氏は、AIが人材を置き換えるのではなく、チームを強化するものであることを明確にしています。「AIはアイデアの実行を加速させるものの、人間に取って代わるものではありません。AIは、プロダクトやオファー、オーディエンス、あるいは市場の文脈を人間のようには理解できません。市場に自動化が進むほど、戦略的思考の価値はむしろ高まっていきます」とコシェリュク氏は説明しています。

市場はどこへ向かうのか

両者は、それぞれの立場から見ていながらも、同様の未来像を描いています。

コシェリュク氏は次のように述べています。「ギャンブル分野のメディアバイイングは、プロダクトそのものと同じくらいテクノロジー主導の領域になりつつあります。安価なトラフィックという競争優位性は消えつつあります。誰もが同じAIツールを使うようになると、競争の軸は“購入”から“分析”へと移行します。最終的な差別化要因は、プレイヤーの真の価値に関する最も質の高いデータを持っているかどうかに移っていきます。」

チェサノフスキー氏は次のように述べています。「参入障壁は大幅に上昇しています。現在ではスケールするために最低でも100万~200万ドル規模の広告予算が必要です。市場は成熟段階に入りつつあり、迅速にスケールできる者だけが生き残ることになるでしょう。」

単純に量だけを武器にしている弱いプレイヤーは市場から退出しつつあり、両氏はこれを健全な動きとして捉えています。今後残るのは、強力な分析力を持ち、独自のBIシステム、迅速なテストサイクル、そして明確なオペレーションモデルを備えたチームです。

成熟した市場では、勝者となるのは結果を出せるインフラを持つ者です。

「メディアバイイングの未来は、AIを武器にした強いチームにあります」とコシェリュク氏は締めくくっています。

この記事は、2026年6月9日にロシアのSiGMAニュースページで最初に掲載されました。

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