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リブシャ・バラノヴァ(Libuša Baranová):スロバキアのギャンブル規制当局は、消費者保護とZ世代への対応へと重点を移行

Kateryna Skrypnyk
執筆者 Kateryna Skrypnyk
翻訳者 Hanako Takagi

スロバキアのギャンブル規制当局は、その権限を拡大しています。ギャンブル規制庁(ÚRHH)は現在、技術的な適合性に加えて消費者保護も監督しています。長官のリブシャ・バラノヴァ(Libuša Baranová)は、不公正な商慣行の監視、倫理的な広告基準の徹底、そして2030年までにデジタル中心となる市場への備えといった、新たな優先事項を示しています。

SiGMA Newsによる独占インタビューで、バラノヴァはスロバキアが市場の開放性と厳格な被害軽減措置をどのように両立させているかを説明しています。また、違法事業者がZ世代を標的とする課題、依存症予防におけるAI活用の限界、受動的監督から能動的なエコシステム管理への規制当局の転換についても言及しています。さらに、越境協力、受賞歴のある教育イニシアチブ「神話や幻想に頼らないギャンブル」、そしてeスポーツ賭博、クラッシュゲーム、AIによるパーソナライズに対応するための規制手段についても議論されています。

新たな責任分野

Q:この困難な時期に長官に就任されるにあたり、新たな規制で定められた消費者保護措置のうち、まず最優先で取り組むべきものは何であり、その理由は何ですか。

バラノヴァ:1月1日付で、当庁はギャンブル分野における消費者保護の主要監督機関となりました。これはまったく新しい責任分野であり、そのため2026年2月1日にはÚRHHにおいて大規模な組織改編が実施され、消費者保護監督のための新部門が設置されました。

消費者保護監督は三つの柱で構成されます。第一に、プレイヤーと事業者間のコミュニケーションに明確なルールを設ける方法論的な柱。第二に、現地およびオンラインでの実態を直接確認・監視するモニタリングの柱。そして第三に、消費者保護法違反に対して罰金や制裁を科す執行の柱です。今後は、ギャンブル分野における不公正な商慣行、利用規約の細則に隠された不当な契約条件、特に広告やマーケティングにおける公序良俗に反する行為の監視に重点を置いていきます。

消費者保護部門の権限拡大は、国家がゲームの技術的公正性だけでなく、この分野におけるビジネスの倫理的側面も監督する意志を明確に示すものです。

Q:ギャンブル依存症の監督および予防において、AIや高度な分析をÚRHHの手段として導入する予定はありますか。

バラノヴァ:ÚRHHは、欧州委員会が最近採択した人工知能規制(AI法)を十分に認識し、注視しています。しかし現時点では、問題ギャンブルの検出を目的として当庁自らがAIを直接活用する具体的な方法について議論するのは時期尚早です。

AI導入の鍵となるのはデータへのアクセス、すなわちプレイヤー行動データの保有です。これは主に事業者の管轄に属します。事業者こそが顧客のギャンブル行動に関する詳細かつリアルタイムのデータを保有しているため、問題兆候を迅速に把握し対応する技術的能力を持っています。当庁は個々のプレイヤーに関するこうしたデータにはアクセスしていません。

いずれにせよ、今後数年間は技術の倫理的利用に関する監督に重点を置きます。AIが消費者の権利侵害や攻撃的なビジネス手法の助長、あるいはギャンブルに伴うリスクの増大に悪用されないよう確保することが目標です。

欧州連合におけるスロバキアの規制的位置付け

Q:税率引き上げ、ライセンス制度、越境協力、マネーロンダリング対策、消費者保護といった分野で、EU内の規制当局の中でのスロバキアの現在の立ち位置はどのようなものですか。また、他加盟国のどの規制手法がスロバキアにとって導入・適用に適していると考えますか。

バラノヴァ:ÚRHHの設立により、スロバキアの規制上の位置付けは近年大きく変化しました。現在では、市場の自由と社会保護のバランスを重視する、近代的でありながら厳格な規制体制の一つと評価されています。なお、ギャンブル分野はEU法による統一規制の対象ではなく、加盟国は域内市場の基本的自由を尊重する限り、自らのルールを広く裁量的に設定できます。

スロバキアのギャンブル課税はEU平均と比べて比較的高く、国家はこれを重要な歳入源とみなしています。特にパンデミック期に急成長したオンライン分野では、税負担増の傾向が見られます。

近年、スロバキアはオンラインカジノおよびベッティングにおける国家独占から、民間事業者に開かれたライセンス制度へと移行しました。これはデンマークやスウェーデンのような比較的自由な市場モデルに近づく一方で、厳しい参入障壁は維持しています。規制の基本姿勢は全面禁止ではなく、バランスの取れた慎重なアプローチです。すなわち、依存症予防や教育、自己制限ツールの促進を重視するハームリダクションと、違法ギャンブルを助長・促進する行為に対する極めて厳格な制裁という、相反しつつ補完的な二つの要素を組み合わせています。

Q:スロバキアにおける合法ギャンブルと違法ギャンブルの比率は現在どの程度であり、その評価にはどのような指標やデータが用いられていますか。

バラノヴァ:現時点で政府は違法ギャンブル市場の正確な割合に関する公式データを有していません。無許可事業者を通じた資金の流れを正確に把握することは、監督の枠外で行われるため技術的に困難です。ただし、正確な統計はないものの、その割合は比較的高いと推定されています。また市場は流動的であり、プレイヤーは安全な環境とそうでない環境の境界を行き来しています。

ÚRHHは、実店舗からオンラインへの移行が進み、結果として無許可のグローバル事業者への接触機会が増えている傾向を確認しています。さらに、SNS上での攻撃的なマーケティングも顕著です。違法サイトはFacebook、Instagram、TikTokといったプラットフォームにおける監視の甘さを利用し、未成年を含む脆弱な層を責任あるギャンブル基準を無視して標的としています。これらのサイトは排除登録制度(RVO)の利用義務もなく、合法市場では禁止または厳しく制限されているボーナスを提供しています。

一般的に他国同様、違法ギャンブルとの戦いでは国家側が不利です。違法事業者は技術的優位性を持ち、ドメインの迅速な切り替え(いわゆるミラーリング)が可能であるため、規制当局の対応を困難にしています。EU各国がSNS企業(ビッグテック)の緩い対応に対して効果的な措置を講じない限り、違法オンラインギャンブルの根絶は困難でしょう。

産業・政府・消費者とのバランスある関係

Q:業界サミットや会議へのÚRHHの参加にはどのような戦略があり、規制当局としての独立性を保ちながら事業者との関係をどのようにバランスさせていますか。

バラノヴァ:私たちの目的は、自らの経験を他の規制当局と共有すると同時に、特にEU加盟国の事例から学ぶことです。

また、バランスの取れた規制を目指し、事業者との非常に密接なコミュニケーションを重視しています。ルールは実務上理解しやすく、実行可能である必要があります。事業者が規制当局の見解や期待を理解していれば、遵守に大きな問題は生じません。

好例として、スロバキアにおけるギャンブル分野の責任ある広告規範の策定があります。これは監視メカニズムや違反に対する制裁も定めた自主規制文書ですが、その策定と運用は非常に有益でした。ここで定められた複数のルールはすでに広く受け入れられており、将来的には消費者保護監督の方法論に組み込み、事業者に対して法的拘束力を持たせることも検討しています。

Q:2024年にÚRHHが開始した受賞歴のある教育イニシアチブ「神話や幻想に頼らないギャンブル」から、今後どのような教訓を活かしますか。

バラノヴァ:この教育プロジェクトは2024年11月に開始され、1年後にはGlobal Regulatory Awards 2025の「年間規制イニシアチブ部門」で国際的な評価を受けました。Z世代は近い将来の主要なターゲット層であるため、本プロジェクトは高校生に対し、ギャンブルの仕組みを包括的かつ偏りなく理解させることを目的としています。

私たちは、リスクに関する率直な対話、若年層を狙ったマーケティング手法の可視化、責任あるギャンブルの認識向上に重点を置いています。講義は、将来ギャンブルに関与する際に責任ある判断ができるよう、必要な知識を身につけさせる構成となっています。これまでに数百人の学生がプログラムを修了しています。

また、デジタル時代の子どもたちにとってより安全な未来を築くためには、将来の教師の教育が最も重要であると考え、2026年2月末にはトルナヴァ大学教育学部と初の協力覚書を締結しました。教育者養成の段階で専門知識と実務経験を組み込むことで、次世代に対してギャンブルやオンラインゲームのリスクを効果的に伝えられるようにすることが狙いです。本プロジェクトから得られた経験は、予防と教育が現代的規制の中核であることを示しています。現在は後続プロジェクトの準備を進めており、年内の実施を目指しています。

Q:消費者保護、市場の健全性、法執行の有効性を高めるために、スロバキアのギャンブル法において優先的に改正すべき点は何ですか。

バラノヴァ:2026年1月1日以降、当庁はギャンブル分野の消費者保護監督の中核機関となりました。今後2~3年の実務運用を通じて、この法改正が公序維持の観点からどれほど有効であったか、また国家・規制当局・事業者の期待に応えられているかが明らかになるでしょう。

「当局の役割は進化している」

Q:今後3~5年を見据え、デジタル化、商品構成、規制負担、社会的責任の観点からスロバキアのギャンブル市場はどのように発展すると予測しますか。

バラノヴァ:スロバキアのギャンブル市場は昨年、総収益15億5,000万ユーロを記録し、2024年比で7.2%増加しました。この成長は、市場動向に対応するため規制も動的である必要があることを示しています。

当局の役割は「受動的な規制者」から「安全なエコシステムを積極的に創出する主体」へと進化しています。

2030年までに市場は主にデジタル化すると見込まれます。ライブカジノでは拡張現実(AR)の導入が進み、AIは高度に個別化されたオファーやリスク行動の検出に活用されるでしょう。一方で、従来のギャンブルとビデオゲームの境界はさらに曖昧になります。eスポーツ賭博は若年層にとって標準的な選択肢となり、「クラッシュゲーム」や即時抽選型ゲームも広く普及する可能性があり、その依存性から迅速な規制が求められます。

今後の規制ビジョンは、こうした動向を反映する必要があります。当局はリアルタイムのデータ分析手段を備え、すべての機器を中央監視システムに接続し、資金の流れとゲームの公正性を即時に監視する必要があります。またAIを活用して違法ドメインを事前に特定し、即時に遮断する仕組みも求められます。さらに、事業者に対しては、プレイヤーが経済的に破綻する前にリスクを検知するアルゴリズムの導入を義務付ける可能性もあります。

最後に、当庁は国家、地方自治体、市民の間の調整役であるべきだと考えています。国家の財政利益と自治体の公序維持の利益のバランスを取りつつ、自治体がギャンブルの禁止や制限に関する意思決定を行う際には、感情や政治的判断ではなく、客観的データに基づく判断ができるよう支援していきます。

今後に向けて

リブシャ・バラノヴァのメッセージは明確です。規制は市場と同じ速度で進化しなければなりません。スロバキアは、厳格な執行、教育、そして業界との対話を組み合わせた枠組みを構築しています。消費者保護の強化、Z世代への注力、AI時代のギャンブルへの備えは、先進的な姿勢を示しています。その成功は、越境協力とSNS企業に対する責任追及にかかっています。

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